太陽から順に数えた場合、地球に最も近い惑星はどれか知ってますか?
ご存知の方も多いでしょうが、それは金星です。
最も近い時期で月までの距離の約100倍、火星までの半分以下の距離です。
最初は地球に似た姿だったことやおおきさや重さが似ていることから、金星は「地球の姉妹惑星」とも表現されます。
しかしその環境は似ても似つかないものなんです。
【厚い硫酸の雲】
金星はとても厚い雲(数㎞といわれている)に覆われています。
しかもその雲の正体は濃硫酸。
硫酸は人間の体を溶かしてしまうほどの強い酸です。
その雲に覆われた金星では硫酸の雨が降るわけです。
こんな厚い雲に覆われているので、太陽が当たる昼でも夜でも温度はほとんど変わりません。
その温度は惑星の中で一番高い400度以上。
これは太陽に一番近い水星よりも高い温度なのです。
この温度なら硫酸の雨は蒸発し、鉛だって溶けてしまいます。
想像もつかない暑さですね。
【探査機もなかなか近づけない金星】
このような過酷な状況なので、探査機も地表につく前になんと蒸発してしまうとか!
人間ならひとたまりもありませんね。
最初は旧ソビエト連邦、そしてアメリカと探査機が送られました。
日本からも2010年に「あかつき」という探査機が打ち上げられ、いったんは失敗するものの太陽の周回を5年も繰り返したのち、再度金星に近づきました。
そして2017年、ついに金星のジェット気流を発見して、世界の注目を集めることになりました。
【金星の別名「明けの明星」「宵の明星」】
先にお話しした濃硫酸の厚い雲ですが、この雲は太陽の光を非常に反射します。
そのため地球から見える星の中でも、太陽や月に次いで明るい星となるのです。
そして地球のすぐ内側をまわっているので、太陽の反対方向に来ることはありません。
明け方(明けの明星)や夕方(宵の明星)にしか、金星が見えないのはこのためです。
今度機会があればぜひ金星を観察してみてください。